「この咳、長すぎる?」風邪と肺炎の見分け方と診断のセカンドオピニオン

風邪が長引いている時の不安

風邪は正式的に「風邪症候群」と言います。
風邪をひくと、発熱、咳、喉の痛みなどの症状がありますが、通常は10日前後で治ります。

しかし、2週間以上経っても症状が治まらない場合もあります。こうなると、風邪をきっかけに別の病気が発生したことも考えられます。
例えば、鼻や喉の症状が長く続くと、上気道に炎症が起きていることになります。咳がつらく長く続いたりすると、下気道(気管支と肺)に炎症が生じている可能性があります。

高齢者に多い「誤嚥性肺炎」や「慢性気管支炎」との見分け

高齢の方にはよく見られるのが「誤嚥性肺炎」と「慢性気管支炎」です。
誤嚥性肺炎は、嚥下機能の低下などの原因により、食べ物や唾液、胃液などが気管に入り、肺に炎症を引き起こす病気です。
慢性気管支炎は、気管や気管支が慢性的に炎症を起こして咳や痰が出る病気です。

この二つは症状が風邪とも似ていますので、見分けることが難しいこともあります。

風邪 誤嚥性肺炎 慢性気管支炎
症状 軽症で、数日で治ることが多い 軽症~重症あり 軽症~重症あり
※重症の場合は、喘息やCOPDなど呼吸器疾患との合併症となることもある
痰の色 白っぽいものが多い 黄色や緑色、うっ血したことになる場合もあり 白っぽいことが多いが、感染を伴う場合は黄色や緑色になることもあり
検査 症状だけから判断されることが多い 胸部レントゲン検査(肺に影が見える)、CT、血液検査、嚥下機能検査など 胸部レントゲン検査(肺に影が少ない)、CT、肺機能検査、気管支鏡検査など

症状だけでは判断することが難しいです。自己判断をせず、医療機関を受診して、検査を受けて医師の診断を受けましょう。

画像検査や血液検査の結果の解釈が医師によって異なることも

画像検査(レントゲン、CT)や血液検査の結果解釈は医師によって異なることもあります。
これは、医師の経験、検査に使用された機器、検査方法など要因によります。

医師の経験

医師の経験や専門分野によって、検査結果の解釈や診断方針が異なることがあります。
呼吸器系疾患を専門とする医師は、その疾患に関する知識が豊富で、より精度の高い診断ができます。

検査機器や検査方法

検査に使用された機器や方法によっては、検査結果が異なる場合があります。血液検査を例で言うと、試薬の種類によって基準値が異なることがあります。

基準値の解釈

検査結果の基準値の解釈も医師により異なることがあります。基準値の範囲内で少し数値が高い場合は、異常がないと判断する医師もいれば、異常と判断する医師もいます。

他の検査結果や病歴との関連も大事

検査結果は、他の検査結果や病歴と関連させて解釈することは重要です。ある検査の結果が異常値であっても、他の検査結果が正常であれば、特に心配する必要がないことがあります。

肺専門医や呼吸器内科でのセカンドオピニオンを

検査結果について納得できない場合は、医師に質問して詳細に説明してもらいましょう。
また、別の医師の意見を聞くこと(セカンドオピニオン)も、適切な治療選択をするための有効な方法です。

複数の専門医の意見を聞いて比較検討することで、より適切な診断と治療法を選択できます。自分の症状や病気のことをより詳しく理解できれば、今後の予防にもつながります。