フローレンス法|世界の最先端腰痛治療法:日本初の「日帰り」の脊柱管狭窄症の手術・治療法についてのレビュー

フローレンス法とは?

フローレンス法はイタリア発祥の欧州や南アメリカを中心に導入されている世界最先端日帰りでできる脊柱管狭窄症の手術法・治療法です。

脊柱管狭窄症の手術といえば、日本では「除圧術」「固定術」が代表的ですが、どちらも必ず入院が必要となります。脊椎の外科手術が行われるようになって数十年、医師も患者も待ちわびた待望の日帰りでできる脊柱管狭窄症の手術が、いよいよ日本で行えるようになりました。

フローレンス法は欧州ではCEマーキングという医療機器承認も取得しており、研究論文も数多く発表されているエビデンスの整った治療法のため、信頼・安心できる治療法と言えます。

研究・論文の一例)
1.
■論文タイトル:New Implant-Based Technologies in the Spine
■タイトル日本語訳:脊椎における新しいインプラント技術
■URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29789873/

2.
■論文タイトル:Successful use of percutaneous interspinous spacers and adjunctive spinoplasty in a 9 year cohort of patients
■タイトル日本語訳:経皮的棘突起間スペーサーと補助的棘突起形成術の9年間のコホートにおける成功例
■URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31974280/

日本では唯一「ILC国際腰痛クリニック」で2024年より提供が開始されており、その他の医療機関では今のところ実施できるという情報は確認できていません。

フローレンス法のメリット

メリット1)脊柱管狭窄症の手術では日本で唯一、入院せず「日帰り」で実施可能である

一般的に脊柱管狭窄症の手術は、大きく分けると「除圧術」と「固定術」の2種類があり、どの医療機関でも必ず入院が必要となります。

除圧術は要約すると狭窄している部分を広げるために一部の背骨や靭帯などを削り取る方法です。
固定術はより脊柱管狭窄症が重度であったりすべり症も併発しているなど、症状の要因が重かったり複数ある場合に選択されることが多いです。除圧術よりも多くの組織を取ったり削ったりするので背骨の安定化のためにボルトやロッドと呼ばれる金属で固定します。

除圧術では1週間前後の入院が必要となり、固定術では2週間前後の入院が必要となるケースが多いです。 また、入院後は数週間~数カ月のリハビリの通院が必要・推奨されるケースが多いです。

これに対してフローレンス法は入院をしないで日帰りで治療することが可能となっています。

その理由は「背中をほぼ切らない」「組織を削ったり取ったりしない」低侵襲な治療法だからです。
フローレンス法専用に開発された特殊な器材で治療するため、組織を傷つける度合いが上記の外科手術と比較して格段に低く、背骨を支える様々な組織を温存しながら実施可能となっています。
そのため熟練した医師が行えば、治療単独だと10分/箇所程度で終えることができます。

治療のイメージ画像

※画像参照元:メーカーサイトより

メリット2)再発率が極めて低い

一般的な脊柱管狭窄症の外科手術は再発率が高く、30%~50%で報告されている研究・論文も多い。再発してしまうと基本的には再手術が必要となります。そうなると再度入院+長期リハビリを行う必要があり、手術の身体への負担もですが、術後のQOLもかなり低減してしまいます。

一方でフローレンス法は低侵襲(組織を削ったり取ったりしない)な治療であるため、再発に関する報告はほぼありません。再発とは異なりますが、術後の経過観察において、インプラントが合わない、ずれてしまったという報告は若干ありますが、フローレンス法の特徴である低侵襲・短時間で対応が可能な点がここでもメリットとして働くことになります。

メリット3)固定術後にあるような術後の背中の動きに制限がない

脊椎固定術では背骨をボルトやロッドといわれる金属の棒で固定するため、術後の背中の動きに制限がかかってしまいますが、フローレンス法で使用するインプラントは下図のような形状をしており、背中を曲げる・反る・ひねるといった動きに制限がかからないように開発されています。

※画像参照元:メーカーサイトより

その他のメリット)上記3つのメリット以外にも様々なメリットがあります

① 高齢の方でも可能・・・全身麻酔と比較すると「部分麻酔+鎮静」で行うため身体への負担が少ないです。また低侵襲な治療器具・手技方法なため高齢者でも可能です。

② 大事な背骨周りの靭帯が温存される・・・背骨の周りには棘上靭帯、棘間靭帯、黄色靭帯、後縦靭帯など身体を支えるための大事な靭帯が多く存在します。フローレンス法では棘間靭帯のみ侵襲し他の靭帯は温存されます。

③ 低侵襲・・・切開はわずか1~2cmなので傷が残りにくく回復も早いです。そのため術後の通院は1回で基本的には問題ありません。

④ 治療後にもしも効果がなかったとしても、取り外すことが可能です。その後に外科手術も可能です。

フローレンス法のデメリット

ここまで記載したきた通り、素晴らしい治療法ですが、全ての方に適用できる治療法ではありません。また、副作用や最新治療が故に治療費が高額であることなどのデメリットもあります。

治療で使用される医療機器の製品取扱説明書には下記の対象者は治療ができないことが記載されています。

・インプラントの素材の成分や麻酔薬によるアレルギーがある方
・構成成分に対するアレルギーがあることが分かっている方
・重度の肥満のある方
・うつ病の方
・痛みの解釈が困難な状態にある方
・妊娠中の方

また副作用としては下記が挙げられています。

・インプラントの挿入による神経や硬膜など周辺組織の損傷の可能性があります
・脱臼や棘突起骨折の可能性があります
・一時的な排尿障害、アレルギー反応などが発生する可能性があります

デメリットについて当サイトでは下記のように評価しております。

・治療費が高い。1椎間板140万円(税抜き)~となっている
・日本ではまだ1医療機関のみ
・日本での治療実績が少ない(海外では数千件の治療実績がある)
・脊柱管狭窄症の原因によっては治療効果が出にくい、もしくは適用外となるケースもある

フローレンス法の口コミ、評判について

日本ではまだ始まったばかりの治療法のため、今のところ口コミや評判に関する情報は確認できていません。

ILC国際腰痛クリニックでは実際に治療した患者さんに関するブログ記事が定期的に更新されているため、フローレンス法に関する記事も今後アップされていくと思われます。

参考:ILC治療ブログ

当サイトも随時確認でき次第こちらへアップしていきたいと思う。

【参考】脊柱管狭窄症の各治療法の価格比較

※自由診療の治療は、同様の治療法でも医療機関ごとに価格は異なりますのであくまで参考値としてお考えください。

1.腰椎後方除圧術/椎弓切除術【保険診療】
 ・250,000~400,000円(3割負担)

2.腰椎固定術【保険診療】
 ・600,000~850,000円(3割負担)

3.フローレンス法【自由診療】
 ・ILC国際腰痛クリニックのみ:1,540,000円~(税込み)