前立腺肥大症

前立腺肥大症とは

前立腺の肥大によって、頻尿・排尿障害といった種々の症状が生じたものを前立腺肥大症と言います。前立腺がんの合併の可能性も考えられますが、前立腺肥大ががん化するわけではありません。
ただし、共通点として前立腺肥大症も前立腺がんも男性ホルモンにより増大し、発生年齢、臨床症状とも似たものが多いため、しばしば区別が困難です。

前立腺肥大症の症状

症状と結節の大きさに相関は見られず、進行度は大きく3つに分類されます。

第一期は刺激期と呼ばれ、結節の大きさは小さいが膀胱と尿道が刺激されます。このため、夜間頻尿、軽度の排尿困難などが起きます。

第二期は残尿発生期と呼ばれ、内腺の結節性腫瘍が肥大し、尿道が圧迫されます。これにより、残尿、頻尿が強くなり、手術はこの時期の後半以降に行われます。

第三期は完全閉尿期と呼ばれ、尿道が閉じるため、自己排尿が困難となります。このため、膀胱が拡大し、残尿がさらに増加します。尿がごく微量ずつしか排出できない、または溢流性尿失禁となります。症状の進行とともに腎機能への影響が増し、治療せずに放っておくと尿毒症になります。

前立腺肥大症の原因

前立腺は男性のみに存在し、前立腺は尿道を取り巻く内腺とその外側に位置する外腺とに大別されます。40歳半ばを過ぎた頃から内腺が大きくなり、前立腺部尿道の延長や圧迫により尿道抵抗が増大することにより、種々の症状が現れます。

前立腺肥大症の治療

薬物療法による下記3つの治療法が挙げられます。

生薬系薬剤

副作用が少なく、前立腺部尿道粘膜の浮腫や炎症を抑制し、刺激症状が緩和します。ただし、排尿の状態が回復するわけではないため、初期治療として使用することが多い。

アルファ交感神経遮断剤

排尿状態が改善され、尿の勢いがよくなり、残尿量が減少します。副作用として目まい、立ちくらみが起こる場合があります。

抗男性ホルモン剤

男性ホルモンをブロックし、前立腺肥大症腫を縮小させることで、排尿効果を改善する治療法。デメリットとして、前立腺がんの診断が困難になることがあります(前立腺がんにおける腫瘍マーカーの低下が原因)。

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