乳がん

乳がんとは

乳がんとは乳腺に発生する悪性腫瘍で女性の罹患率は胃がんに次いで2番目に多くなっています。また、日本においても近年増加傾向にあるが、死亡率はあまり高くありません。発がんの原因としてウイルスの寄与が動物実験により明らかにされているが、人間の場合は未だ原因が分かっていないのが現状です。

乳がんの種類

乳汁を分泌する機能を持つ腺小葉と呼ばれる乳腺組織の一部にがんが発生し、乳腺と乳腺の間の間質組織に拡大していきます。この間質組織に浸潤が始まっていれば、浸潤がん、浸潤していなければ非浸潤がんと呼ばれます。
浸潤がんの場合、がん細胞が間質組織の中に入り込むことにより、間質組織の増殖が過剰になった結果、固くなる場合が多く、別称では硬がんと呼ばれ、乳がん全体の約50%を占めています。

乳がんの特徴

最も発生率が高いのは50歳前後の女性である。初潮のタイミングが早い、閉経のタイミングが遅い、未婚、肥満、高齢での初産、放射線による被ばくなどが乳がんの発生と相関があると言われている。
プロゲステロンやエストロゲンなどの女性ホルモンのバランスの崩れががんの発生や進行に関係している可能性も示唆されています。

乳がんの症状と経過

初期症状はしこりを感じるが痛みはありません。乳房の片側のみに発生する場合が多く、腫瘍が大きくなってくると、乳房の形に変形が見られます。また、腋の下を走っているリンパ節(腋窩リンパ節)に転移することが多いのが特徴です。
進行や経過としては、血流による肺、肝臓、骨、副腎、胸膜への遠隔転移も見られ、胃がんや子宮がんは手術後5年間生存していれば治癒とみなされるが、乳がんは手術後5〜10年間の再発率が高く、10年間の経過観察が必要とされる。

乳がんの自己検診

乳がんは体の表面近くに発生するため、自分で触って自己検診することも可能である。月に一度月経後の自己検診によって、早期発見、早期治療をすることが最善の予防策である。自己検診の手順を紹介いたします。

1.鏡の前に立ち、左右の乳房の形や大きさ、乳頭の向きなどを比較する。
2.両手を挙げた状態で乳房にえくぼ様のくぼみや湿疹、発赤がないか確認する。
3.仰向けに寝た状態で腕を下げ、乳房の中央部から外側に向けて押し、乳頭やしこりからの異常な分泌物がないかどうかを確認する。
4.仰向けに寝た状態で腕を上げ、乳房の中央部から内側に向けて押し、乳頭やしこりからの異常な分泌物がないかどうかを確認する。

乳がんの治療

外科療法

手術によってがんを切除する治療法では乳房部分切除術(乳房を部分的に切除)、乳房切除術(全部の乳房を切除)があります。乳がんはリンパ液に乗ってリンパ節に転移するので、がんの周辺にあるリンパ節を切除するリンパ節郭清を行う場合があります。

メリット

検診にて発見された早期のがんであれば、手術前に化学療法を施し、がんを小さくし乳房を全切除しない乳房部分切除にて対応できる場合があります。

デメリット

がんが広範囲の場合は乳房切除術になるので患者様の精神的負担が大きい。

放射線療法

放射線を体外から当て乳がんの増殖を抑え、がん細胞を小さくする効果があります。また切除術を併用し、温存した乳房やリンパ節での再発生を防ぐために用いります。

メリット

通院での治療が可能です。

デメリット

皮膚の炎症や肺の炎症という副作用が出る場合があります。

化学療法(薬物療法)

乳がんは一般的ながんよりも早い段階で全身へと拡大するするので、全身への治療としては薬物療法が効果的とされています。

メリット

外科的手術前に使用することにより、がん病巣を小さくする。

デメリット

脱毛や不眠の副作用が起こり、また不妊の副作用として起こる場合もあります。

乳がんの入院期間や費用

入院期間や費用はあくまでも目安となります。病状によっては、入院期間や費用が変わる可能性があるため病院にてご確認ください。

※1 現役並み所得者…70歳以上の高齢受給者のうち、標準報酬月額が28万円以上の被保険者とその被扶養者です。
(被保険者が70歳未満の場合は、その被扶養者である高齢受給者は、現役並み所得者とはなりません)ただし、高齢受給者の被保険者・被扶養者の年収合計額が520万円(高齢受給者である被扶養者がいない場合は383万円)未満であるときは、申請により2割負担(ただし、誕生日が昭和14年4月2日から昭和19年4月1日までの方は1割負担)となります。
被扶養者が後期高齢者医療制度の被保険者となったときでも、被扶養者であった方の年収と併せて計算できます。

(注1)健康保険適用時の一部負担金の割合


保険証等を提示して保険医療機関で医療を受けたときや保険薬局で薬の調剤をしてもらったときは、保険医療機関等の窓口でかかった医療費の一部を支払います。これを一部負担金と言い、本人・家族、入院・外来に関わらず、年齢等によってその負担割合が区分されています。

平成26年3月31日以前に70歳になった被保険者等(誕生日が昭和14年4月2日から昭和19年4月1日までの方)については、引き続き一部負担金等の軽減特例措置の対象となるため、平成26年4月1日以降の療養に係る一部負担金の割合は1割のままです。

※現役並み所得者…70歳以上の高齢受給者のうち、標準報酬月額が28万円以上の被保険者とその被扶養者です(被保険者が70歳未満の場合は、その被扶養者である高齢受給者は、現役並み所得者とはなりません)。ただし、高齢受給者の被保険者・被扶養者の年収合計額が520万円(高齢受給者である被扶養者がいない場合は383万円)未満であるときは、申請により2割負担(ただし、誕生日が昭和14年4月2日から昭和19年4月1日までの方は1割負担)となります。

※被扶養者が後期高齢者医療制度の被保険者となったときでも、被扶養者であった方の年収と併せて計算できます。

(注2)高額療養費制度について

高額療養費とは、1ケ月(月初から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が後で払い戻される制度です。 その際に必要な書類として、健康保険高額療養費支給申請書が必要であり、70歳未満の方で医療費が高額になることが事前に分かっている場合は限度額適用認定書を提出する方法が便利です。

詳細は全国健康保険組合のホームページにて掲載されております。

間違えられやすい他の病気

乳腺症、乳腺繊維腺腫、乳腺嚢胞、乳腺炎、乳腺葉状腫瘍