前立腺がん

前立腺がんとは

欧米人に多いがんとして知られていたが、近年、日本においても発症率が著しく高まっている。前立腺のがん細胞は、男性ホルモンの増加とともに増殖するため、ホルモン療法が適用される場合が多い。前立腺の外腺から発生、増殖します。

前立腺がんの症状の進行

症状の進行度に応じて、A〜Dの4つの段階に分けられる。
StageAでは前立腺肥大症と見分けがつかず、手術で前立腺を摘出して初めてがんの存在が確認される。症状は前立腺肥大症の初期症状と同じく頻尿や排尿困難が見られる。

StageBでは直腸内の触診により、前立腺に固いしこりが認められ、がんと診断される。がんは前立腺の内部に留まり、転移は見られない。StageAとほぼ同様の症状が見られるが、会陰部の鈍い痛みや不快感を伴うこともある。

StageC及びStageDでは周辺臓器(主に精囊)への浸潤が見られ、さらに進行すると尿道や膀胱にも浸潤し、尿道が閉じたり、血尿が見られたりする。直腸への転移が見られることもある。

前立腺肥大症から前立腺がんに直接変化することはないが、前立腺肥大症による前立腺の内腺の肥大が原因で外腺が圧迫されて萎縮します。そのことから前立腺がんも合併して発症することも多く、これらの原因により尿道が圧迫され、排尿障害を引き起こします。

前立腺がんのセルフチェック

ここでは前立腺がんの可能性がある方の症状をいくつか挙げさせていただきます。

生活習慣

・食事のバランスを考えず、偏食である。
・ストレスはたまりやすいほうだ。
・お酒は毎日飲むほうだ。
・決まった時間に寝ることはなくいつも時間はバラバラだ。

症状

・おしっこの色が濃い。または濁っている。
・血尿が出たことがある。
・頻尿でトイレに行く回数が急に増えた。
・残尿感がある。
・力まないとおしっこが出ない。
・下腹部に痛みや違和感を感じることがある。
・過去に前立腺肥大にかかったことがある。


もし上記の内容にいくつか当てはまる方は前立腺がんの可能性があります。または前立腺がんでなくても他の病気の可能性がありますので、病院での診察を受けていただくことをお勧めいたします。

前立腺がんの治療

ホルモン療法

前立腺がんの要因の男性ホルモンの作用を抑制し、がんを小さくする治療法です。男性ホルモンを抑える注射を打つ方法や抗男性ホルモン剤や女性ホルモン剤を内服する方法、そして男性ホルモンの源である精巣を取る去勢術などがあります。

メリット

体に大きな負担をかけずに治療ができる。

デメリット

短期間では有効ですが、5年以内にがん細胞が男性ホルモンと関係なくして成長する場合があります。勃起障害やホットフラッシュと呼ばれる発汗・のぼせなどの症状が起こることがあります。また男性ホルモンを抑えることで、女性ホルモンが多い状態になりますので、女性化乳房(乳房が大きくなること)や乳頭に痛みを感じることがあります。

外科療法

前立腺内にがんが進行している場合、前立腺と精のうを摘出する手術で術後膀胱と尿道をつなぎます。その際、周囲のリンパ節郭清(リンパ節を取り除く手術)も行います。

メリット

ホルモン療法だけでは根治しえない前立腺がんに対して、併用する事により効果が期待できます。手術に経験値の高い医療機関ならば約1週間で退院できます。

デメリット

開腹手術は体の負担が大きく、腹腔鏡手術の場合は医師の経験値が問われます。前立腺を摘出する際に尿道括約筋が傷つきますと、尿道の締まりが鈍くなり、力んだりくしゃみをしたりした時に尿漏れを起こすこともあります。手術にて精管が切断され、前立腺の近くにある勃起神経が傷つくと勃起障害が起こることがあります。

放射線治療

放射線を体の外から当てる外照射療法や体の中から放射線を当てる組織内照射療法の2種類があります。転移していないがんに対して外照射療法は有効とされます。

メリット

外科手術の後遺症として勃起不全、下肢のむくみ等はありません。低リスク群の前立腺がんには手術と同等の効果が期待でき、最近では放射線単独の治療も行われています。組織内照射法は前立腺にとどまった低悪性度のがんに有効とされています。

デメリット

外照射療法の副作用として、下痢や排便の痛み、頻尿、排尿時の痛みなどの症状が起こる場合がありますが、1年ほどで減少されます。

前立腺がんの入院期間や費用

入院期間や費用はあくまでも目安となります。病状によっては、入院期間や費用が変わる可能性があるため病院にてご確認ください。


※1 現役並み所得者…70歳以上の高齢受給者のうち、標準報酬月額が28万円以上の被保険者とその被扶養者です。
(被保険者が70歳未満の場合は、その被扶養者である高齢受給者は、現役並み所得者とはなりません)ただし、高齢受給者の被保険者・被扶養者の年収合計額が520万円(高齢受給者である被扶養者がいない場合は383万円)未満であるときは、申請により2割負担(ただし、誕生日が昭和14年4月2日から昭和19年4月1日までの方は1割負担)となります。
被扶養者が後期高齢者医療制度の被保険者となったときでも、被扶養者であった方の年収と併せて計算できます。

(注1)健康保険適用時の一部負担金の割合


保険証等を提示して保険医療機関で医療を受けたときや保険薬局で薬の調剤をしてもらったときは、保険医療機関等の窓口でかかった医療費の一部を支払います。これを一部負担金と言い、本人・家族、入院・外来に関わらず、年齢等によってその負担割合が区分されています。

平成26年3月31日以前に70歳になった被保険者等(誕生日が昭和14年4月2日から昭和19年4月1日までの方)については、引き続き一部負担金等の軽減特例措置の対象となるため、平成26年4月1日以降の療養に係る一部負担金の割合は1割のままです。

※現役並み所得者…70歳以上の高齢受給者のうち、標準報酬月額が28万円以上の被保険者とその被扶養者です(被保険者が70歳未満の場合は、その被扶養者である高齢受給者は、現役並み所得者とはなりません)。ただし、高齢受給者の被保険者・被扶養者の年収合計額が520万円(高齢受給者である被扶養者がいない場合は383万円)未満であるときは、申請により2割負担(ただし、誕生日が昭和14年4月2日から昭和19年4月1日までの方は1割負担)となります。

※被扶養者が後期高齢者医療制度の被保険者となったときでも、被扶養者であった方の年収と併せて計算できます。

(注2)高額療養費制度について

高額療養費とは、1ケ月(月初から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が後で払い戻される制度です。 その際に必要な書類として、健康保険高額療養費支給申請書が必要であり、70歳未満の方で医療費が高額になることが事前に分かっている場合は限度額適用認定書を提出する方法が便利です。

詳細は全国健康保険組合のホームページにて掲載されております。

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