すべり症と診断されたら?

すべり症とは

すべり症とは、背骨が前後にずれてしまう疾患です。腰椎の部分に発症する場合は、腰椎すべり症といいます。

腰椎すべり症は、腰椎変性すべり症と腰椎分離すべり症の2種類に分けられますが、先天的な要因から発症する形成不全性すべり症もあります。
変性すべり症は、椎間板などの変性から始まり、腰椎が正常な位置からずれて発症します。分離すべり症は、腰椎分離がために腰椎の変性が進むことによって起こります。

軽度のすべり症は無症状であることも多く、症状が出現して背骨のすべりが進行してしまってから発見されることもあります。
腰椎すべり症の主な症状は、腰痛、臀部や下肢の痛みとしびれです。典型的な症状は、歩行中に現れる臀部や下肢のしびれ・痛み=間欠性跛行があります。

すべり症の治療

保存療法

すべり症の症状が軽度な場合は、まず保存療法を行います。
コルセットなどにより背筋の負担を減らして、神経の負担を軽減させます。消炎鎮痛剤や、ブロック注射などで症状を軽減させます。
また、リハビリにてストレッチや腹筋を中心とした腰まわりの筋力トレーニングなどを行うこともあります。

外科的手術

保存療法を行っても症状が改善しない場合は、外科的治療が検討されます。
すべり症の手術は腰椎固定術や腰椎後方除圧術が一般的となっています。椎弓などを取り除き、脊柱管を広げていき、またすべった腰椎を固定することで、不安定となっている背骨を安定させます。

椎間板治療

すべり症の原因の一つである損傷した椎間板にアプローチする椎間板治療も実施されています。
外科的手術と違い、切開をせず、副作用や合併症のリスクが少ないです。入院が必要なく日帰りで治療を受けられる場合があります。

日帰り施術

近年は、従来の外科的施術と違い、全身麻酔をせず日帰りでの施術も行われています。
椎体の棘突起間に経皮的に特殊なデバイスを埋入することで、不安定となった背骨の安定化を図り、すべりを良くします。そうすることで、神経の圧迫が消失し、症状が緩和します。

セカンドオピニオンの重要性

セカンドオピニオンとは「第二の意見」と意味をしています。ある病気に対して、多くの医師から意見を聞いて、最も適切な治療法を選んでいくことです。

「主治医に失礼だ」と思う方もいますが、近年はセカンドオピニオンが大切なものだという認識が医師の間でも広がってきており、医師からセカンドオピニオンをすすめられているケースもあります。

海外ではセカンドオピニオンが一般的となっており、特に外科的手術をすすめられている患者を対象に多く行われています。セカンドオピニオンを受けることで、手術の適応を確認でき、病気に関する知識を深めたり自分の意識を高めたりすることで治療効果の向上につなげていくのです。