NASH(非アルコール性脂肪肝炎)

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)とは

最近注目されている病気です。アルコールを飲まない方でもなりえる肝臓の疾患です。脂肪肝から肝硬変、肝細胞がんに変異する病気です。
推定患者は200万人で日本でのNASH予備軍が1,000万人と言われています。
カロリーオーバーの食事を取ることでの脂肪肝から変異が多く、肝臓内に余った脂肪が肝細胞に溜まります。脂肪肝とは3分の1以上の肝細胞に脂肪が溜まっている状態を言います。
その内でアルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝があり、この非アルコール性脂肪肝炎を(Nonalcohlic Steatoheptitis:NASH)と呼ぶようになりました。

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)を引き起こす原因と症状

原因

NASHの大元は脂肪肝です。脂肪肝とは過食や多量の摂取によって、肝臓に中性脂肪(TG=トリグリセリド)の大適正脂肪が過剰に蓄積された状態を言います。
身体の動きとして体内に摂取された脂肪は肝臓の中で体を動かすエネルギー源となり、全身へと送られます。しかしながら、過食にて余った内臓脂肪が溜まりますと、そこから大量の脂肪が肝臓へと送られ、余分な脂肪が肝細胞の中に蓄積された状態を脂肪肝と言います。
脂肪肝は主に人間ドックの腹部エコーによって診断されることが多いです。

脂肪肝はその発生の原因により、アルコール性と非アルコール性に分類されます。
肝細胞の30%以上の脂肪化をアルコール性脂肪肝と呼びます。
(30%未満の脂肪化は非アルコール性脂肪肝)

非アルコール性の脂肪肝はNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)として大別され、このNAFLDは脂肪化の進行度は関係なく、患者の体より採取した病変の組織及び細胞から顕微鏡を用いて観察及び診断する病理診断でNAFLとNASHに分けられます。

NAFLは今後の見通しが良い脂肪肝でNASHは見通しの悪いケースの脂肪肝を指します。NAFLDの2~3割が予後不良とされるNASHに進行し、その何割かは肝硬変や肝がんに変異します。

症状

NAFLDもNASHも多くは無症状です。進行して出現する症状で最も多いのは倦怠感です。不眠症やうつ病の症状が現れることもあります。

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)の診断方法

エコー(超音波)検査、またはCTにて脂肪肝の検査、合わせて血液検査を行い、その結果次第では肝生検での診断が必要となります。

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)の治療方法や予防方法

基本的には食事療法と運動療法が中心です。
生活習慣の見直しを図り、食事も低カロリーで栄養のバランスが取れた食事を行います。規則正しく食事を1日3回(朝・昼・晩)採ることも重要です。
仕事の都合上であったり、どうしても夜中にお腹が空いて間食を取ってしまう方に関しては、夜中ではなく夕方に軽く間食を取り、晩御飯は野菜を中心としたものを適度に取るようにしてください。

運動療法としてはジョギングやウォーキング等の有酸素運動を適度に実施します。
(ウォーキングやジョギングに関しては最低30分以上行わないと脂肪が燃焼しないと言われています)
また急に激しい運動や無理な食事制限などのダイエットを行うと、タンパク質が不足し、肝臓からの脂肪が排出されず脂肪肝を進める場合があります。運動・食事に合わせて十分な睡眠も必要とされます。