椎間板ヘルニアが再発したら?その時取るべき行動とは

椎間板ヘルニアとは
椎間板ヘルニアとは、背骨の間のクッション材である椎間板が変性して飛び出し、神経を圧迫して、その結果痛みやしびれなどの症状を起こす疾患のことです。
椎間板ヘルニアは頸部、胸部、腰部のどの部位にもあることはありますが、最も多く発症するのは腰部です。
椎間板ヘルニアの主な原因は、遺伝的要因、加齢、日常生活の負担などによる椎間板の変性(椎間板の老化)です。加齢や日常生活での負担とともに椎間板が変性していき、髄核が線維輪の亀裂から漏れ出て水分を失っていきます。特に、激しいスポーツを行うことが椎間板を痛める原因になります。
椎間板ヘルニアの治療
保存療法
椎間板ヘルニアと診断されたら、多くの場合はまず、保存療法が行われます。
薬物療法では炎症や痛みを抑える目的で、非ステロイド性消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、オピオイド鎮痛薬、神経性疼痛緩和薬などを服用して、痛みなどの症状を和らぐことができます。
痛みが強い場合は、神経を麻痺させることで特定の部位の痛みをとるために神経ブロックが効果的です。
運動療法で、筋肉を鍛えて、痛みなどの症状を和らげます。
外科的手術
数か月間保存療法を行っても症状が消失しない場合、外科的治療が検討されます。
よく行われるのは、LOVE法、MED法、PELD法です。効果は基本的に一緒で、ヘルニア自体を摘出することで症状を軽減させることです。
外科的手術は全身麻酔(LOVE法、MED法)または局所麻酔(PELD法)にて、ヘルニア部分を切除する治療です。
椎間板治療
ヘルニア部分を摘出する一般的な手術方法と違い、近年は損傷した椎間板にアプローチする椎間板治療(PLDD、PODD、ヘルニコア、セルゲル法など)も実施されています。
外科的手術と違い、切開をせず、副作用や合併症のリスクが少ないです。入院が必要なく日帰りで治療を受けられる場合があります。
椎間板ヘルニアの再発
椎間板ヘルニアを摘出して、物理的な神経圧迫を取り除きます。しかし、手術後、椎間板ヘルニアの再発リスクが約64%とされています。(Lu Hao, Shengwen Li, Junhui Liu, Zhi Shan, Shunwu Fan and Fengdong Zhao. Recurrent disc herniation following percutaneous endoscopic lumbar discectomy preferentially occurs when Modic changes are present. Journal of Orthopaedic Surgery and Research. Vol.15, No. 176, 2020)
外科的手術後の高い再発率は、手術で線維輪の亀裂を塞ぐことができないからです。線維輪の亀裂から、椎間板内の髄核が漏れ続けて、再度椎間板ヘルニアとなるわけです。
椎間板ヘルニアが再発したら、セカンドオピニオンを受けよう
もし椎間板ヘルニアが再発したのであれば、手術を受けた医療機関に受診するだけでなく、セカンドオピニオンを受けることもおすすめです。
セカンドオピニオンとは英語の「Second Opinion」で、「第二の意見」と意味をしています。ある病気や症状に対して、多くの医師から意見を聞き、最適な治療法を選んでいくのです。
近年はセカンドオピニオンが大切なものだという認識が医師の間で広がってきており、医師からセカンドオピニオンをすすめられているケースも少なくありません。
セカンドオピニオンを受けることで、病気に関する知識を深めたり自分の意識を高めたりすることで治療効果の向上につなげていくのです。