冬の三大感染症・RSウイルスってどんな病気?

RSウイルスとは

RSウイルス感染症(respiratory syncytial virus infection)は、RSウイルスの感染による呼吸器感染症です。

RSウイルスは世界中に分布しており、年齢を問わず生涯にわたり感染を起こします。何度も感染と発病を繰り返すのは特徴です。

生後1歳までは半数以上が、2歳までにほぼ100%の子供がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされています。その後も感染と発症が繰り返され、成人になってからも特に高齢者に影響を及ぼします。

RSウイルスの初回感染時は、より重症化しやすいとされています。特に、RSウイルスに感染した生後6ヶ月以内の幼児、慢性の基礎疾患(喘息などの呼吸器疾患、神経・筋疾患、心疾患、糖尿病、腎臓病など)がある方、免疫機能が低下している方は、重症化する可能性が高いです。

RSウイルスの感染経路

RSウイルスの感染経路は主に接触感染と飛沫感染があります。

接触感染は、RSウイルスに感染している人との直接の接触や、感染者が触れたことによりウイルスがついた手指や物品(ドアノブ、手すり、スイッチ、机、椅子、コップなど)を触ったりなめたりすることで感染することを指します。

飛沫感染は、RSウイルスに感染している人が咳やくしゃみ、あるいは会話などをした際に口から飛び散るしぶきを浴びて吸い込むことにより感染することをいいます。

RSウイルスは集団感染が発生しやすいとされていますので、要注意です。

RSウイルスの症状

RSウイルスの潜伏期間は2~8日間(多くの場合4~6日間)とされています。

主な症状は、発熱、鼻汁、咳などです。軽症で数日~1週間程度で自然軽快することも多いですが、重症化した場合は、咳がひどくなる、喘鳴が出る、呼吸困難となるなどの症状が出現します。細気管支炎、肺炎を引き起こすこともあります。

重篤な合併症には、無呼吸発作、急性脳症等があります。生後1か月未満の乳児がRSウイルスに感染した場合は、非定型的な症状を呈するために診断が困難な場合があり、また突然死につながる無呼吸発作を起こすことがあります。

RSウイルスの予防対策

RSウイルス感染症には特効薬はありませんので、感染してしまった場合は症状を和らげる治療となります。
大事なのは、感染を防ぐための対策です。

手洗いや消毒

手洗いと手指の消毒は最も重要な対策です。石けんと流水でしっかり手を洗いましょう。手指の消毒にはアルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムが効果的です。
またよく触るもの・場所もこまめに掃除・消毒を忘れず行いましょう。

マスク着用

RSウイルス感染症の流行時期はマスクを着用しましょう。流行時期でなくても、咳などの症状がある場合はマスクをつけるのがマナーです。

人混みを避ける

RSウイルスが流行る季節には人混みを避けると良いです。

ケアをする時も予防対策を忘れず

ケアをする時は、飛沫やしぶきを吸い込んだり、衣服が汚れたりしないために、してウイルスに直接触れないようにしましょう。
同じ人のケアでも、排泄物や創傷皮膚に触れた後は手袋を交換しましょう。手袋やエプロンを脱いだ後は、手指消毒が必要です。

換気

咳やくしゃみ、嘔吐などの処理時には、窓を開けて十分な換気をしましょう。

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