食欲の秋!でも食べ過ぎ注意!食べ過ぎで胃腸にかかる負担について

消化とは

食べたものが胃腸の運動や胃酸、消化酵素などによって分解されて吸収されやすい形になる過程は消化といいます。

食物を消化する働きをするのは胃です。その働きは、化学的消化と物理的消化と二つあります。
胃の化学的消化は、胃内でつくられる胃酸・消化酵素等の働きで食物を化学的に分解します。物理的消化は、胃の蠕動運動により胃酸等と食物を混ぜ合わせて、消化物を腸へ送り出す働きです。

食べ過ぎた時はどうなる?

通常は、食べ物が胃内に留まる時間が2~3時間程度です。

しかし、消化が難しい脂質の多い食べ物をたくさん食べた場合は、消化に2倍もの時間がかかります。消化に時間がかかって食べ物が胃に長時間留まってしまいます。そうなると、消化不良となり、胃痛や胃もたれなどが起こります。

消化しきれない食べ物は、いったん十二指腸に送り出されることがありますが、十二指腸でも処理ができず、胃へ送り返されることもあります。

食べ過ぎの原因

食べ過ぎの原因は、いくつかあります。

食べた時の満足感

甘いお菓子などの糖質が多く含まれている物、揚げ物など脂質の多い食べ物は、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン等の神経伝達物質の分泌が促され、脳内で快感や満足感が得られます。これで「もっと食べたい」という欲求が生まれ、ついに食べ過ぎになってしまいます。

ストレス

ダイエット、過労、人間関係のトラブルなど、ストレス状態が続くと、身体の機能に働きかけるコルチゾールというホルモンや神経伝達物質のノルアドレナリンが増加します。逆に、食欲を抑える働きのある物質の分泌が減少します。その結果、食欲を抑えられず、食べ過ぎてしまいます。

早食い

食事をする時は血液中のブドウ糖の濃度が上昇し、満腹感が生じます。ブドウ糖の濃度が上がるには時間がかかりますので、早食いしたらそれが間に合わず、十分に食べたのに満腹感を得られず、食べ過ぎにつながります。

食べ過ぎた時の対処法

食べ過ぎたら、セルフケアをして胃腸の調子を整える必要があります。

市販薬を飲む

消化薬や総合胃腸薬などは、食べ過ぎによる不快感(胃痛、胃もたれなど)を和らげる効果があります。市販薬を服用することで、食べ物の消化を促進したり、胃酸の分泌を調整したり、胃の蠕動運動を活発にしたりできます。

ガムを噛む

食後にガムを噛むことで、唾液の分泌が促進され、唾液が胃酸を洗い流して中和させてくれます。
また、ガムを噛むとリラックス効果もあり、ストレス軽減にもつながります。ストレスは胃の働きを低下させますので、胃もたれを引き起こしやすくなります。ただし、できるだけシュガーレスのガムを噛むと良いです。

消化のよい食べ物を摂る

胃腸への負担を減らすためには、消化の良い食べ物を摂ることも大事です。おかゆ、うどん、豆腐、バナナなどは胃に優しく、消化も早いです。卵や鶏ささみ肉、白身魚は高たんぱくで消化が良く、胃に負担をかけずに栄養を補給できます。

薄味にする

味の濃い食べ物は胃を刺激します。食べ過ぎた後は、薄味を心掛けて胃の負担を減らすと良いです。

食べ過ぎを予防する方法

食べ過ぎは、日常生活にも支障をきたす場合があります。食べ過ぎの予防を心掛けましょう。

よく噛んで食べる

食べ過ぎを防ぐためには、よく噛んで食べることが大事です。血液中のブドウ糖の濃度が上がって満腹感を得られるまでに時間がかかりますので、噛む回数を増やして早食いを防げます。それで満腹感を得やすくなります。
一口ごとに30回以上噛むことを意識し、ゆっくりと食事を楽しみましょう。

食事量を少なめに

食事量を少なめにすることも重要です。特に外食の場合はこれがとても大事です。
塩味の濃い食事は食欲を増進させるため、あっさりとしたものを食べて、食べ過ぎを防ぎましょう。

野菜を最初に摂る

食事の最初に野菜を食べることも、食べ過ぎの予防に効果的です。野菜は食物繊維が豊富で、消化・吸収の速度が緩やかになり、満腹感を得やすくなります。また、きゅうり、大根、ごぼうなど、歯ごたえのある野菜を食べると、よく噛むことになり、満腹感をより一層得やすくなります。