花粉症対策のアレコレ

花粉症とは

花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で起きるアレルギー症状の一つです。季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
最も多いのはスギ花粉を原因とするスギ花粉症です。スギ花粉にアレルギーがあれば、ヒノキ花粉にもアレルギー反応を起こしやすいと言われています。
日本人の2人に1人が花粉症になる可能性があり、花粉症は日本の「国民病」と呼ばれることもあります。

飛散時期

スギは、3月中旬から5月中旬にかけて飛散量が多く、ヒノキは、4月下旬から6月にかけて多いと言われています。
秋にはイネ科の植物やブタクサなどによる花粉症が起こることがあります。
地域によっては1年を通して、季節を問わず花粉が飛散していることがあります。

花粉症の症状

花粉症の主な症状は、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ、目の充血、などです。
風邪の症状と似ていますが、花粉症の場合は鼻水が無色透明で粘り気が少なく、くしゃみが立て続けに出るなどの特徴があります。
人によってはかゆみ、咽の痛み、咳、頭痛、発熱などの症状もあらわれることがあります。

重症度分類

鼻アレルギー診療ガイドラインによると、花粉症の重症度が以下のように分類されています。

症状 重症度
鼻づまりなし、くしゃみなし 無症状
軽い鼻づまりあり、くしゃみ1日平均5回 軽症
主鼻閉が強く、口呼吸がときどきあり、
くしゃみ1日平均6~10回
中等症
鼻閉が非常に強く、口呼吸があり、
くしゃみ1日平均11~20回
重症
鼻が完全につまっており、
くしゃみ1日平均21回以上
最重症

花粉症対策

花粉症対策としてはできるだけ、花粉に接触しないことが大切です。毎日、花粉情報もチェックして、花粉飛散量の多い時間帯などはなるべく外出を控えましょう。
外出の際は次のような対策をすると良いです。

髪や体を花粉からガード

外出する際は、花粉から目や鼻を守るためにマスクや花粉用のメガネなどを着用した方が良いです。
また、髪をまとめて、帽子を着用するのが有効な対策です。
さらに、服はツルツルとした素材のものが良いです。ツルツルとした素材の服に花粉が付着してしまったとしても、玄関前などで払うことで室内などに花粉を持ち込む量を軽減することができます。

帰宅したら手洗い・うがいなどを

帰宅したら、まずは手洗いやうがいをして、鼻やのどの粘膜を清潔にしましょう。
洗顔を行うのもお勧めです。目の周りにも花粉が付くことがありますので、目の粘膜に入ってしまって、顔などにかゆみが生じて傷になってしまう可能性もあります。

室内の換気と掃除

花粉飛散のシーズンは窓を全開にして換気すると大量の花粉が室内に流入してしまいます。花粉の最盛期には窓を開ける幅を10cm程度にし、レースのカーテンをすることで屋内への流入花粉を減らしましょう。また、こまめに掃除を行い、カーテンは定期的に洗濯しましょう。

薬を服用

症状が強ければ、花粉症に対応した薬を服用するのも対策の一つです。
薬はドラッグストアで買えるものもあり、処方薬もあります。市販薬は処方薬より副作用などのリスクが少ないですが、効果も弱いと言われています。処方薬の方は、病院で医師が患者の状態を確認して適切な薬を処方しますので、より効果的な薬になります。

受診、治療

花粉症であることがわかっている場合は、花粉が飛び始める前や症状が軽い間に受診した方が良いです。また、花粉症が中等症になった場合は、病院に受診をお勧めです。

何科に受診?

病院へ行く際は、症状が最も重い部分の診療科を受診するのが一般的です。鼻水や鼻づまりがひどい場合は耳鼻咽喉科に、目のかゆみがつらい場合は眼科に受診します。
より専門的な診療を受けたい場合はアレルギー科に受診すれば良いです。

治療方法

病院での花粉症治療は、主に4つあります。
初期療法は、花粉が飛ぶ前に内服薬や点鼻薬を服用して症状を予防・軽減するために行います。
花粉症シーズン中でも、症状が出てから、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、ステロイドなどの内服薬や点眼・点鼻薬を使用します。
他には、アレルゲンを少量体内に入れ徐々に増やしていき、免疫をつけて症状を抑える減感作療法と、鼻の粘膜をレーザーで焼いてアレルギー反応を鈍くする手術療法もあります。

花粉症の予防

花粉症の主な予防対策は、規則正しい生活習慣を身につけることです。正しい生活習慣を保つことで、正常な免疫機能を保つために重要です。
具体的には、睡眠をよくとること、風邪をひかないこと、お酒を飲み過ぎないこと、タバコを控えることなどを心がけるのが大切です。
また、食生活にも気を付けた方が良いです。花粉症のある方は、ヨーグルト、れんこん、青魚などの食材を取り入れることをお勧めです。ヨーグルトは乳酸菌やビフィズス菌をはじめとした善玉菌が豊富に含まれており、腸内環境の改善に働き、免疫調整機能を整えてくれます。れんこんは食物繊維や抗酸化作用のあるポリフェノールやタンニンなどが豊富で、炎症を抑える作用の他、鼻水やのどの痛みを抑えてくれる作用があります。サバやサンマ、イワシなどの青魚の油はアレルギー症状を引き起こす物質の放出を抑える作用があります。