冬の代表的な感染症・ノロウイルスについて。どんな病気?予防法は?
ノロウイルスとは
11月・12月から3月末頃までは、ノロウイルスの感染が多いです。ノロウイルスは冬の代表的な感染症と言っても過言ではありません。
ノロウイルスは、小さな球形のウイルスで、その感染力が非常に強いです。ノロウイルスが付着した手で調理し、ノロウイルスが付着した食品を食べたりすると、ノロウイルスに感染して、食中毒になります。
通常は、1日~2日程度で治りますが、乳幼児や高齢者など抵抗力が弱い方は長引く場合もあります。
なぜ冬に多い?
冬は、気温が低く、湿度も下がります。この低温・低湿度の環境は、ノロウイルス感染を拡大する好環境だとされています。
低温・低湿度はウイルスの生存期間を長くさせます。気温20度ではノロウイルスの生存が3~4週間ですが、気温4度まで下がると生存期間が約2倍になると報告されています。
また、低湿度な環境ではウイルスも乾燥して浮遊しやすくなります。咳やくしゃみをすれば、ウイルスが粒子になり空中に漂うことにより感染が拡大します。
乾燥している環境で積極的に水分を摂取しなくなりますので、喉や気管支の粘膜も乾き、ウイルスが付着しやすく感染してしまいます。
ノロウイルスの症状
ノロウイルス感染から発症までの潜伏期間は24時間から48時間です。
主な症状は、吐き気、おう吐、下痢、腹痛、発熱などです。通常は、1~2日で症状が治まりますが、持病のある方、乳幼児、高齢者、免疫力が低下している方などは、脱水症状を起こすこともあり、症状が重くなる場合もあります。
また、感染しても症状が出ない場合、軽い風邪のような症状で済む場合もあります。
症状が治まった後も、1週間~1か月間は排便時にウイルスを排出し続けるとされていますので、要注意です。症状が治まった後も、感染者や周囲の方々は手洗いやトイレの消毒などを徹底することが重要です。
ノロウイルスの感染原因
ノロウイルスの原因として知られているのは、牡蠣などの二枚貝です。
牡蠣などは寒い季節に旬を迎えており、冬に牡蠣を食べる機会が増えます。しかし、このような二枚貝は体内にノロウイルスを蓄積していることもあります。ウイルスに汚染された貝を生食でまたは不十分な加熱で食べると感染してしまうのです。
他の原因としては、ウイルスに感染した食品取扱者は食品を汚染してしまうこともあります。
ノロウイルスの予防方法
ノロウイルス感染を防ぐためには、4つの原則があります。
持ち込まない
多くの場合は、ノロウイルスに感染した調理者が汚染源となってしまっています。日頃から手洗いを徹底して、健康管理を心掛けることで、ウイルスを調理場に持ち込まないようにしましょう。
吐き気や下痢などの症状が出た場合は、調理中に食材を汚染してしまう危険性が高いですので、調理をしないようにしましょう。
つけない
食品にノロウイルスを付けないように、トイレの後、調理前、盛り付け前など、こまめに流水と石鹸液を使って手を洗いましょう。
やっつける
ノロウイルスに汚染された食品や生水などは食中毒になりますので、ウイルスを死滅させることも予防対策になります。食品を85度~90度で90秒以上に中心部まで十分に加熱しておきましょう。
また、包丁やまな板などの調理器具は、使用後に十分洗浄して消毒しましょう。
拡げない
もしノロウイルスに感染してしまった場合は、ドアノブ、食器、トイレなどの消毒や吐しゃ物等の適切な処理を徹底し、感染が拡がらないようにしましょう。
また、ノロウイルスは症状が治まっても一定期間で便から排出されますので、引き続き消毒や手洗いなどの対策を徹底しましょう。
ノロウイルスの予防方法
ノロウイルスによる食中毒のような症状が出た場合は、仕事や学校に行かず、医療機関にかかりましょう。ノロウイルスに感染したままで職場や学校に行ってしまうと、多くの人に二次感染を広げてしまう恐れがあります。
ノロウイルス感染を拡大させないように、十分に気をつけましょう。