インフルエンザとただの風邪の違い、高齢者こそ知っておくべき判断ポイント

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症です。
流行りの程度とピークの時期はその年によって異なったりする。

インフルエンザは、感染した人のくしゃみや咳などによって飛び散った粒子(飛沫)を、口や鼻から吸い込むことで感染します。
飛沫から細かい粒子が浮遊する空気中を吸い込んで感染する空気感染のケースや、ウイルスのついた手指やものにふれて感染する接触感染のケースもあります。
感染してから発症するまでの潜伏期間はおおよそ1~5日です。

インフルエンザの症状

インフルエンザの主な症状は、38度以上の発熱、頭痛、筋肉痛や関節痛、倦怠感などです。鼻水やのどの痛みや咳など、風邪と同じような症状も発生することがあります。
抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は、重症化しやすいです。呼吸器や心臓の病気、糖尿病、腎臓病などの持病がある人も合併症を起こしやすくなります。

インフルエンザと他の感染症との違い

インフルエンザは、風邪や新型コロナウイルスなどと同じような症状が発生しますが、原因となるウイルスは異なり、発症の仕方も異なったりしますので、それぞれは別の病気です。

インフルエンザ 風邪 コロナウイルス
原因ウイルス インフルエンザウイルス コロナウイルス、
ライノウイルス、
RSウイルスなど
SARS-CoV2
潜伏期間 1~5日程度 2~4日程度 1~14日程度
発症の仕方 急激 ゆっくり ゆっくり、
一部は急激に重症化
する場合もある
発熱 38~40度 37度前後、
ない場合もある
37度以上
症状 高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、咳、鼻水、咽頭痛 咳、咽頭痛、鼻水、発熱 発熱、倦怠感、頭痛、咳、痰、味覚・嗅覚障害等
検査 抗原検査 特になし 抗原検査、PCR検査
治療 対症療法 対症療法 対症療法
治るまでの期間 1週間程度 1週間程度 軽症の場合は1週間程度

症状だけでは判断することが難しいですので、必ず医療機関にて検査を受けて医師の診断を受けましょう。

インフルエンザになったら

咳エチケットの実施

周囲の人に感染を広げるのを防ぐためには、咳エチケットを日ごろから実施しましょう。
咳エチケットとは、咳やくしゃみをする時に、病原体を含んでいる飛沫に気をつけることです。
以下は咳エチケットの基本です。
・咳やくしゃみをするときは他の人から顔をそらす
・咳やくしゃみをするときはティッシュなどで口と鼻を覆う
・咳、くしゃみが出ている間はマスクを着用する

抗インフルエンザ薬

症状が出始めてから12~48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用すると、症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。
インフルエンザの治療薬は、主に内服薬、吸入薬、点滴薬があります。基本的には、症状や年齢、既往歴などを見て、医師が最適な薬をだします。
抗インフルエンザ薬の他、解熱剤なども併用される場合があります。

検査タイミングにおける医師の判断が異なることも

インフルエンザの検査は、発症からの時間により、医師の判断が異なる場合があります。
一般的に、発症から12~48時間以内が検査のタイミングとして最適とされています。
インフルエンザウイルスは、発症直後から増殖を始め、12~24時間で検査で検出できるレベルに達します。発症後12時間以内ですと、ウイルス量が少ないため、検査で陽性が出ない可能性があります。他方、発症から48時間以上経つと、治療のタイミングを逃す可能性があります。
また、症状の程度にも医師の判断が異なることがあります。高熱や悪寒など症状が強い場合は、検査がなるべく早めに行うことが望ましいです。

インフルエンザの予防

インフルエンザの予防には、手洗い、マスク着用、咳エチケットなどが効果的です。

手洗い

手洗いはあらゆる感染症から自分を守るために重要です。
外出して帰った時、調理前後の時、食事前などに、こまめな手洗いを心がけましょう。

マスク着用

咳やくしゃみなどの症状がある場合は、不織布マスクを着用しましょう。
また、咳エチケットを徹底しておきましょう。

加湿

空気が乾燥していたら、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。乾燥しやすい室内は加湿器などを使って、適切な湿度(50~60%)を保つことも対策の一つになります。

十分な休養とバランスの良い食事

感染症対策としては、体の抵抗力を高めるのも大事です。十分な休養、バランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけましょう。

人混みを避ける

インフルエンザが流行している時期は、できるだけ人混みや繁華街への外出を控えましょう。特に高齢の方や基礎疾患のある方など、重症化する危険性のある方は人混みを避けた方が良いです。