痛風

痛風とは

痛風は多くの場合、足親指の中足指節関節の激痛、皮膚が赤くなる発赤、熱感をともなう関節炎を特徴とする病気のことを言い、体内に尿酸が過剰にたまる高尿酸血症が原因となっていることが多いようです。
痛風の多くは男性に発生し、女性では極めてまれで40歳代を中心とした中年以降に発生する例が多いが、近年は若年層にも増える傾向にあります。

痛風の症状

ある日突然に痛風発作は発症します。長時間の歩行や靴で締め付けられるなどによって、軟骨などに析出した尿酸塩結晶が関節液の中に遊離すると、好中球などの血液細胞は結晶を体に対する異物として認識し、排除しようとします。そのために起こる激烈な炎症が痛風発作です。足の関節が激しく痛み、発赤をともなって腫脹します。症状は数時間でピークに達し、5~7日間で自然に収まります。

痛風の原因

体内に尿酸が過剰に溜まる高尿酸血症が痛風の原因です。その高尿酸血症は遺伝的に細胞の代謝機構に問題がある場合とアルコールの多飲やレバー、アンコウの肝などの尿酸を多く含む食品の摂取した場合に発症します。いずれも尿酸の産生過剰が起こり、尿酸値が上昇します。
高尿酸血症や痛風患者のおよそ10%に尿酸の産生過剰が見られ、およそ90%の痛風患者では腎臓での尿酸の排出低下が高尿酸血症の原因です。
ヒトの血清中では尿酸は通常7mg/dlが溶ける限界値とされており、体内の尿酸がこの限界値を超えると、軟骨、骨、腎臓などで結晶となる(析出)危険性があります。成人の血清尿酸値の平均は男性5.1mg/dl、女性は4.0mg/dlであり、男性の方が尿酸が結晶となる密度との差が小さいので、高尿酸血症になりやすい傾向にあります。

痛風にかからないためにはどうしたらいい?

痛風の原因である高尿酸血症を予防するために栄養のバランスを考え、規則正しい食生活を送ることが大切です。特に海藻類や野菜などのアルカリ性は尿酸を排泄しやすくする効果があります。
水分補給も同様で、尿酸の排泄を促しますので1日当たり2~3ℓは補給することをお勧めします。
ただし、一気に補給すると体を冷やしてしまい、胃腸機能の低下や倦怠感、吐き気や嘔吐、筋肉の痙攣などの症状が出る恐れがありますので、一気には補給せずに数回に分けてゆっくり補給しましょう。
あとプリン体を多く含む食べ物や飲み物(レバー、魚卵、干物、ビール)は尿酸をつくりやすいため、たくさんの量は食べないように控えましょう。
食生活以外では適度な運動も必要です。過度の運動は体の負担も大きく、尿酸の産生を高めてしまうことがあるため、初めはウォーキングや水泳といった体に負担をかけない運動をすることで尿酸値を下げ、肥満を解消できるようにしましょう。

痛風の予後

1回の痛風発作が収まっても放置しておくと3~6か月後に再発します。再発は発作を繰り返すたびに間隔が短くなり、最終的には関節が破壊されて変形することになります。
反復する発作のほかに耳たぶや皮下に生じる痛風結節、尿路結石、痛風腎などを伴うことがあります。痛風結節は尿酸塩が皮膚の下に沈着したもので無痛性です。血流の乏しい部位や足指の関節、肘関節、手指、くるぶしなどの伸側部にできやすいです。痛風腎とは尿酸結晶が腎臓に溜まることにより炎症が起きた状態です。痛風腎を放置すれば最終的に腎不全となり、人工透析療法が必要となります。

痛風の治療

痛風の治療には発作を抑える治療と高尿酸血症の治療という2つの段階があります。痛風発作を抑える治療では、発作の前兆があった時に飲むコルヒチンと発作が始まって炎症や痛みを和らげる非ステロイド抗炎症薬を使った薬物療法を行います。
痛風発作が収まったら、高尿酸血症の治療を行います。食生活を改善していく食事療法と尿酸値を下げる薬物療法があります。薬は尿酸が過剰に生産されるのを抑えるものと尿酸の排泄を促すものの2種類があり、病気のタイプに合ったものが処方されます。

間違えられやすい他の病気

反母趾、変形性関節症、蜂窩織炎、関節リウマチ、回帰性リウマチ。

痛風の最新治療について

このように、痛風の原因は尿酸が溜まって炎症が起こる事で痛みが発生するので、炎症を抑える為に薬を使ったり、食事を改善する事が重要になります。しかし、最近の研究では、痛風の原因について腎臓や肝臓の機能低下、血液の悪質化が一番根底にある事が分かってきました。痛風の最新治療と原因については下記で詳しく解説しています。