肝臓がん

肝臓がんとは

肝炎が進行すると、肝小葉がこぶ状(結節)化して硬くなります。この状態が肝硬変でしばしば肝硬変の結節からがん(肝細胞がん)が発生するため、これを肝臓がんと呼称しています。

肝臓がんには肝細胞から発生する肝細胞がんと肝臓内の胆管の上皮細胞ががん化した肝内胆管がんの2つがあります。肝細胞がんのほうが数は多く、肝硬変から生じるのが大部分であるが、慢性肝炎から発生することもあります。

慢性肝炎、肝硬変からのがんの発育には肝炎ウィルスの関与が確実とされています。早期のがんは特徴的な症状は無いが、超音波診断の発達でとりわけ肝細胞がんは10mm以下のがんも見つけられるようになった。

また、肝細胞がんでは本来胎児期にしか出ないアルファーフェトプロテインやPIVKAⅡというタンパク質が出現するので腫瘍マーカーとして早期発見に有用である。

肝臓は門脈血の集合場所でもあることから、肝臓に発生するがんには他から転移してきたがんが多い。
(※肺がんから→17.2%、胃がんから→13.2%、膵がんから→10.5%の転移がみられます)また、肝臓から肝臓への肝内転移も9.5%と多くあります。

肝臓がんの治療

外科療法

がんが侵攻している肝臓組織を切除する方法です。

メリット

腫瘍の大きさに関係なく、切除の適応になります。手術の創は比較的大きくなりますが、術後2~3週間ほどで退院ができます。

デメリット

肝機能が十分でない患者様は切除手術後に肝臓が機能しない肝不全に発症する可能性があるため、黄疸や腹水などの症状がある場合は手術後の検査が必要です。

肝移植

他の臓器への転移がない場合に検討される術法ですが、ドナーの不足などで近親者から肝臓の一部をもらい移植する生体肝移植があります。

メリット

肝がんと肝硬変に対しての根治的な治療法ではあります。

デメリット

他の健常者からのドナーとしての提供と拒絶反応や感染症といった合併症へのリスクがあります。

肝動脈塞栓療法

がんが増殖していくため必要とする酸素を供給している血管を人工的に塞ぎ、酸素の供給を止めてがんを死滅させる治療法です。

メリット

がんの個数に関係なく施術でき、適応の幅が広い。

デメリット

副作用として、発熱、食欲不振、肝機能障害、胸痛などがあります。

穿刺局所療法

がんに対して局所的に体の外から針を通して治療を行うことです。治療法としては3種類あります。 この術法のメリットは手術に比べて体への負担と副作用が比較的に少ないのが特徴です。ただし、がんの一部が残ってしまう危惧もあり、適応としてはがんの大きさが3cmより小さくて3個以下という場合があります。

経皮的エタノール注入療法

純アルコール(99.5%以上のエタノール)を肝がんの部分に注射して、アルコールの化学反応にてがんを死滅させる治療法です。

デメリット

合併症として発熱・腰痛・肝機能障害などが起こる場合があります。

経皮的マイクロ波凝固療法

がん部分に高周波の電磁波(マイクロ波)を当て、発熱する熱でがんを凝固させ、代謝障害をおこして死滅を図ります。

デメリット

がんの全てを消滅できず、一部残る可能性があります。

ラジオ波焼灼療法

がん部分に体の外から特殊な針を直接刺し、電流を流し、その針の先を高熱にしてがんを焼き死滅させる治療法です。

メリット

他の経皮的エタノール注入療法や経皮的マイクロは凝固療法より、治療回数が少なく良い効果が得られる。

デメリット

特殊な針を刺した部分に痛みややけどが起こる場合がある。また合併症として発熱・腹痛・腸管損傷・肝障害が起こることもあります。

放射線治療

がん細胞に放射線をあててがん細胞を死滅させます。脳への転移・血管に広がったがんの治療に用います。

メリット

外科手術等に比べると体力のない患者様には楽な治療法です。

デメリット

肝臓は放射線に弱く、照射により肝機能障害を起こす恐れがあります。

肝臓がんの入院期間や費用

入院期間や費用はあくまでも目安となります。病状によっては、入院期間や費用が変わる可能性があるため病院にてご確認ください。

※1 現役並み所得者…70歳以上の高齢受給者のうち、標準報酬月額が28万円以上の被保険者とその被扶養者です。
(被保険者が70歳未満の場合は、その被扶養者である高齢受給者は、現役並み所得者とはなりません)ただし、高齢受給者の被保険者・被扶養者の年収合計額が520万円(高齢受給者である被扶養者がいない場合は383万円)未満であるときは、申請により2割負担(ただし、誕生日が昭和14年4月2日から昭和19年4月1日までの方は1割負担)となります。
被扶養者が後期高齢者医療制度の被保険者となったときでも、被扶養者であった方の年収と併せて計算できます。

(注1)健康保険適用時の一部負担金の割合


保険証等を提示して保険医療機関で医療を受けたときや保険薬局で薬の調剤をしてもらったときは、保険医療機関等の窓口でかかった医療費の一部を支払います。これを一部負担金と言い、本人・家族、入院・外来に関わらず、年齢等によってその負担割合が区分されています。

平成26年3月31日以前に70歳になった被保険者等(誕生日が昭和14年4月2日から昭和19年4月1日までの方)については、引き続き一部負担金等の軽減特例措置の対象となるため、平成26年4月1日以降の療養に係る一部負担金の割合は1割のままです。

※現役並み所得者…70歳以上の高齢受給者のうち、標準報酬月額が28万円以上の被保険者とその被扶養者です(被保険者が70歳未満の場合は、その被扶養者である高齢受給者は、現役並み所得者とはなりません)。ただし、高齢受給者の被保険者・被扶養者の年収合計額が520万円(高齢受給者である被扶養者がいない場合は383万円)未満であるときは、申請により2割負担(ただし、誕生日が昭和14年4月2日から昭和19年4月1日までの方は1割負担)となります。

※被扶養者が後期高齢者医療制度の被保険者となったときでも、被扶養者であった方の年収と併せて計算できます。