今年の夏も日差しが強い・・・高齢者も男性も、みんな気を付けたい日焼け対策

日焼けとは

日焼けとは、皮膚が紫外線でダメージを負って、炎症を起こして、色素沈着してしまう皮膚反応をいいます。簡単にいうと、日光によるやけどのようなものです。

紫外線とは

紫外線とは目に見える光(可視光線)の紫の外側という意味で、英語からきているUV(「ultra-violet」)とも言います。
紫外線は、波長の長さによって紫外線A波(UVA)、紫外線B波(UVB)、紫外線C波(UVC)の3つに分けられています。紫外線C波はオゾン層に吸収され、地表には届きませんので、人間の肌に悪影響をもたらすのは、紫外線A波と紫外線B波です。

紫外線A波(UVA)

A波は皮膚の表皮より奥にある真皮まで届きます。そのため、コラーゲンを変性させて、シワやたるみの原因になってしまいます。紫外線A波はオゾン層を通り抜けやすく、常に紫外線B波の20倍以上も地上に降り注いでいます。雲、また窓ガラスなども通り抜けやすいので、曇りの日でも日当たりのいい家の中でも紫外線対策が必要になります。

紫外線B波(UVB)

B波は強く、肌表面の細胞を傷つけたり、炎症を起こしたり、皮膚の表皮で過剰なメラニン色素をつくったりするため、シミやそばかすの原因になります。波長が短いため、紫外線A波と違って、オゾン層や上空の雲に阻まれ、地上に到達する量は全紫外線量の約10%のみです。外出の際に日傘を使うなど直射日光に当たらないような対策だけで、ある程度防げることができます。

日焼けの症状

日焼けをして数時間たったころから症状が現れてきません。

日焼け直後に起こりやすい症状は、紫外線の影響で皮膚が赤くなることです。日焼けしてしばらくしてから、皮膚が黒くなってしまう症状が出てきます。

日焼けがひどい場合は、皮膚が腫れて水ぶくれができ、発熱・悪寒、脱力などの症状も起こることもあります。

熱中症を合併することもあり、入院が必要な場合もあります。

日焼けのリスク

日焼け対策をせず、日焼けをしてしまうと、体に以下のような影響があります。

肌の老化が進行しやすくなる

紫外線を浴び続けると、肌は光老化を引き起こします。光老化とは、長年紫外線を浴び続けることにより、肌に活性酸素が生じ、そのダメージが体に蓄積されて引き起こされる老化現象のことを指し、シミやシワが発生してしまいます。

肌のトラブルが増える

紫外線を浴びることで、様々な肌のトラブルを引き起こしやすくなります。毛穴の開き、皮脂の過剰分泌、肌のカサつきなどは、紫外線の影響で引き起こされることが多いです。
紫外線を浴びて肌が日焼けすると、肌のバリア機能が低下して、肌が乾燥したり過剰な皮脂の分泌が起こったりします。

皮膚がんや白内障を引き起こしやすくなる

紫外線を浴び続けると、皮膚がんや白内障のリスクが上昇します。
皮膚がんは紫外線がDNAを傷つけ、傷ついたDNAが突然変異することで引き起こされると言われています。
また白内障は、紫外線が目に与える悪影響を放置することで引き起こされることのある病気です。

日焼けの対策方法とポイント

大きな病気を引き起こさないためにも、老若男女を問わず日焼け対策を行うことが重要です。

日焼け止めを塗る

日焼けを防ぐためにはまず、日焼け止めを塗る習慣をつけることが必要です。朝のスキンケアの後に、外出前には顔や腕などに日焼け止めを塗布しましょう。
日焼け止めは商品によってSPFやPAの値が異なります。SPFとPAは値が高いほど防御力が高くなりますが、肌への負担も大きくなります。買い物や通勤など日々の生活ではSPFとPAの値が低いものを、海などに行く際は値が高いものを選ぶようにした方が良いです。

日焼け止めの塗り直しも忘れず

外出する前に日焼け止めをしっかり塗っても、汗をかいたり顔を拭ったりしたら、日焼け止めは取れてしまいます。日焼け止めが取れてしまうと、肌は紫外線の影響を強く受けてしまいますので、日焼け止めはこまめに塗り直すことが大事です。

日傘や帽子も利用する

紫外線量が最も増える7月〜8月は、日焼け止めと併用して日傘や帽子を利用するのがおすすめです。
日傘は日焼け対策になるだけでなく、熱中症を予防することも可能です。
最近は日傘を利用する男性も増えていますが、もしも恥ずかしい場合は、顔の日焼けを防ぐために帽子を利用しましょう。

日差しの強い時間は外出を控える

10時〜14時は日光が高い位置にあるため紫外線量が最も多く、日が傾くにつれて紫外線の量が減っていきます。外出する時間帯を選ぶことができるなら、日差しが強く日焼けしやすいこの時間帯を避けた方が良いです。
どうしても紫外線量が多い時間帯に出かける必要がある際は、日陰を選んで歩き、帽子・サングラスなどをつけて紫外線を防ぐための工夫を行いましょう。

日焼けしてしまった場合のケア

もし日焼けをしてしまった場合は、正しいケアを行うことが大切です。

肌を冷やして炎症を抑える

日焼けをしてしまったら、肌をしっかりと冷やして、炎症を抑えておきましょう。保冷剤をタオルに包んで当てたり、冷水を使いましょう。

保湿で潤いを

前述のように、日焼けをすると肌の水分量も減り、バリア機能も低下します。そのため日焼けをしてしまった後は、しっかりと保湿を行うことが大事です。顔はもちろん、腕や足にも化粧水で水分を与えて、乳液やクリームを使って水分を閉じ込めましょう。

肌に刺激を与えない

日焼けをした後の肌は紫外線により損傷を負いますので、外部からの影響も受けやすくなります。摩擦があると、普段よりも大きなダメージを与えてしまうことになりますので、要注意です。肌が乾燥してかゆくて掻きむしったり、剥けかけた皮を無理に剥がしたりすることを止めましょう。また、入浴時に強く擦ったり、入浴後にタオルで強く拭くのも控えましょう。