尿もれ・頻尿は治らない?恥ずかしがらずに聞ける泌尿器科セカンドオピニオン

高齢者に多い排尿トラブル

歳をとるにつれて、トイレの悩みを抱える方が増えています。

「歳だから仕方ない」と思っている人も少なくありませんが、日常生活に大きな影響が与えられていることもあり、排尿トラブルが様々な疾患と関連することもありますので、専門医に相談して、適切な治療を受けることが重要です。

排尿トラブル① 頻尿

排尿回数は人によって異なったりしますが、一日の排尿回数が8回以上の場合を「頻尿」といいます。夜寝ている時に何度もトイレに起きてしまう「夜間頻尿」もあります。
頻尿の原因は、就寝前の水分・飲酒過多、精神的なストレス、また膀胱の弾力性低下、過活動膀胱、前立腺肥大症、糖尿病などの病気にあります。

排尿トラブル② 尿失禁(尿漏れ)

尿をしようとしていないときに、尿がもれてしまうことを「尿失禁」といいます。下半身の冷えや、加齢に伴う泌尿器の機能低下などによって尿が漏れてしまいます。

尿失禁は主に三つのタイプに分かれています。
腹圧性尿失禁は、咳・くしゃみ、大笑い、重いものを持つ時などにお腹に力が加わると漏れてしまい、骨盤底筋の衰えが原因です。女性に多いです。
切迫性尿失禁は、過活動膀胱が原因で、膀胱が不随意に収縮して、急に我慢できない強い尿意で漏れてしまいます。
溢流性尿失禁は、男性に多く、排尿後も膀胱に尿が残り、残尿が多い状態でありながら、少量ずつ漏れるのです。

排尿トラブル③ 排尿困難

尿意を感じてトイレに行っても、尿が出にくく、尿の勢いが弱くて時間がかかったりすること、また排尿した後も膀胱に尿が残っているような残尿感があることを排尿困難といいます。
尿道狭窄症、前立腺肥大症、尿路結石、子宮筋腫などの疾患が原因で排尿困難になります。また、服用しているお薬の副作用として排尿困難が起こることもあります。

排尿トラブルの治療

排尿トラブルの治療は、原因や症状に応じて様々な対処方法があります。

生活習慣・行動療法

軽度~中等度の排尿トラブルの場合は、生活習慣の見直しで治ることがあります。
刺激物の摂取を控え、水分摂取量を調整します。また体重コントロールも大事になります。
尿道や肛門を締める運動(骨盤底筋訓練)で筋力を強化したり、尿意を感じてから我慢し、少しずつ排尿間隔を延ばす膀胱訓練を行ったりすることも有効です。

薬物療法

排尿障害に対して、尿道の抵抗を抑える目的でαアドレナリン受容体遮断薬、PDE5阻害薬などを使用します。
症状や原因によっては、使用する薬も異なりますので、自己判断せず必ず泌尿器科を受診し、適切な診断と処方を受けることが重要です。

カテーテル療法

排尿困難、残尿が多い場合は、カテーテル療法が有効です。
専用の細い管(カテーテル)を使用して、定期的に尿を排出します。また、一時的また長期に尿道にカテーテルを挿入したままにしておく方法もあります。

手術療法

薬物療法など他の治療方法で改善しない場合は、手術が提案されます。
排尿トラブルの原因により、手術方法も異なります。

排尿器科専門医の診断を受けるメリット

排尿トラブルでお悩みの場合は、泌尿器科専門医と相談しましょう。

専門医と相談することで、正確な原因特定ができ、早期で適切な治療を受けることでQOL(生活の質)の改善が可能になります。また、排尿トラブルの背景にある重篤な疾患も早期発見ができます。

男性・女性で排尿トラブルの原因や治療方法が異なることもあります。泌尿器科で診てもらうことはメインですが、女性は婦人科で、男性の場合は性感染症専門で診療を受けることもあります。

治療選択が医師によって異なることもある

排尿トラブルの治療選択は、症状の原因や患者の状態が多様であるため、医師や医療機関によって異なることがあります。

排尿トラブルでお悩みの場合は、複数の医師による診断(セカンドオピニオン)を受けることもおすすめです。

セカンドオピニオンとは英語の「Second Opinion」で、「第二の意見」と意味をしています。ある病気や症状に対して、多くの医師から意見を聞き、最適な対策を選んでいくのです。
現在診療を受けている医師とは別の医療機関の医師に相談して、最善の治療法を選択できます。