後腹膜腫瘍

後腹膜腫瘍とは

後腹膜腫瘍とは腹部後方に位置する後腹膜領域(後腹膜腔)の脂肪組織や結合組織に発生する腫瘍の総称である。後腹膜腫瘍には良性と悪性があり、悪性のものが多くみられる。良性腫瘍の例としては脂肪腫、血管腫、神経鞘腫や奇形腫などがあり、悪性腫瘍の例としては脂肪肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫などの肉腫や悪性リンパ腫が知られています。

後腹膜腫瘍の症状

発生初期の段階では自覚症状が現れにくいため、発見が遅れるケースも多い。腫瘍が増大して周辺の臓器を圧迫(圧排)するようになると様々な症状が現れます。具体的には腹痛、嘔吐感など消化管の不定愁訴、便秘や排尿障害などが挙げられる。身体を触ってしこり(腹部腫瘤)を感じるようになる事もあります。

後腹膜腫瘍の診断

血液検査、超音波(エコー)検査、CT、PET、MRIやシンチグラムなどを用いた総合的な検査で診断されるが、最終判断は病理学的検査に委ねる事も多く、病巣の切除標本を用いた検査を行う事も少なくない。

後腹膜腫瘍の治療

腫瘍の種類など病理組織の形態によって治療法は異なります。手術による腫瘍の摘出が基本であるが、腫瘍の状態によっては隣接する臓器の切除(合併切除)が必要になる事もあります。また、病巣が拡大して摘出困難な場合には、抗がん剤などの化学療法や放射線治療が行われます。化学療法では用いる薬剤によって様々な副作用(アレルギー、脱毛、消化器の症状、骨髄抑制など)の発現がみられることもあります。

この病気に詳しい医師

奥田 準二 先生

大阪医科大学附属病院 特務教授

大阪

専門分野
大腸外科・内視鏡外科・ロボット外科・先端医療開発・大腸がん・炎症性腸疾患・憩室炎等
診療科目
消化器外科
相談事例
セカンドオピニオン外来可