慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎とは

鼻を支える骨格の中には副鼻腔と呼ばれる空洞がある。副鼻腔は自然口という細い孔を介して鼻腔(鼻の孔)に繋がっており、その表面は薄い粘膜で覆われている。この粘膜の炎症が副鼻腔炎であり、蓄膿症ともいう。

慢性副鼻腔炎の原因

副鼻腔炎は細菌の感染や鼻アレルギーなどが原因となって発症します。鼻腔の粘膜が細菌に感染して炎症を起こすと、その粘膜は副鼻腔表面の粘膜につながっているため、炎症は副鼻腔内部にまで拡大することがあります。炎症による膿汁や粘液の分泌、粘膜の腫れが起きると狭い自然口は詰まりやすいので、副鼻腔内には分泌物が蓄積して空気の循環が悪化するようになります。また、分泌物に含まれる白血球が生体組織を壊す組織障害因子という物質を出すため、さらに病態が進行することになりあmす。

細菌の感染経路は鼻腔からの侵入ばかりではありません。副鼻腔の底にあたる上顎洞という部分は歯根に近いため、虫歯などの細菌が副鼻腔に達して炎症を起こす(歯性上顎洞炎)こともある。

鼻アレルギーが原因となって鼻腔の粘膜に腫れや炎症が生じた場合も同様に、副鼻腔内の循環や排泄が悪くなって副鼻腔炎を発症します。鼻アレルギーによって自然口近傍の粘膜が腫れ上がると、鼻茸(はなたけ)と呼ばれる突起物を生じる事があり、酷い鼻詰まりが起こって嗅覚にも影響を及ぼします。

慢性副鼻腔炎の症状

主な症状は鼻詰まりと鼻汁で、鼻汁(鼻漏)には粘液性と膿性、両者の混合した粘膿性があり、まれに血液が混じる事もあります。急性副鼻腔炎の場合は粘性の低いみずっぱなに始まり、進行につれて粘液性、膿性となります。慢性副鼻腔炎の場合は通常粘液性であるが、風邪を引いて膿性に悪化する事もあります。近年増加しているアレルギー性の副鼻腔炎では粘液性である事が多いです。

鼻以外にみられる症状としては頭痛、頭重、目の奥の痛みなどが挙げられる。また前述した歯性上顎洞炎の場合は腐臭をともなうのが特徴です。副鼻腔炎が脳の働きを鈍らせるように言われる事もありますが、実際の根拠はありません。-アンチトリプシンという酵素を先天的に持っていない体質が原因とされています。

慢性副鼻腔炎の治療

薬物療法

抗生物質を少量で1,2ヶ月間内服続ける。(約7割の方が改善)

うがい

生理的食塩水を使った鼻うがい法である。,2ヶ月間内服続ける。(約7割の方が改善)

外科手術

鼻茸(ポリープ)が存在して自然口を閉鎖している場合に、内視鏡にて確認しながら鼻茸を取り除き、閉鎖した自然口を開放して副鼻腔の自浄作用を取り戻します。,2ヶ月間内服続ける。(約7割の方が改善)