アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症は十数年かけてゆっくりと記憶障害、理解・判断力の低下、実行機能障害などの症状が進行し、四肢硬直や無言、無動などの身体症状を伴って寝たきりとなり、やがて死に至る病気である。
初老期の発症であるアルツハイマー病と高齢になってから発症するアルツハイマー型認知症とがある。

アルツハイマー型認知症の原因

タンパク質の一種であるAβタンパクが脳の皮質に沈着することで、アルツハイマー型認知症の代表的な病変である神経原線維変化や老人斑ができると考えられているが、明らかな原因は不明である。

アルツハイマー型認知症の病理

アルツハイマー型認知症の代表的な病変は脳の萎縮、神経原線維変化、老人斑である。アルツハイマー型認知症を発病して十年が経過した脳は萎縮し、正常では1,400g前後ある重さも900~800gまで減る。特に側頭葉、頭頂葉の萎縮が著明であり、神経原線維変化や老人斑によって大脳皮質の神経細胞が障害を受け、減少することが原因である。

神経原線維変化は神経細胞の中に曲がりくねった針金のような繊維状の塊ができる。
老人斑はAβタンパクが神経細胞間に沈着し、その周辺の変性した神経細胞やミクログリア、アストログリアなどの脳細胞が集積してできたものである。

神経原線維変化や老人斑などの神経細胞の構造異常だけではなく、アセチルコリン、セロトニン、ソマトスタチンといった神経伝達物質の働きが低下していることも分かっている。

アルツハイマー型認知症の治療

アルツハイマー型認知症そのものを治す治療法は無く、神経伝達物質であるアセチルコリンを増加させるアセチルコリン分解酵素阻害薬などの薬物治療、回想法や及びクリエーションなどのリハビリテーションが病気の進行を緩やかにする目的で行われている。

間違えられやすい他の病気

脳血管障害(脳梗塞くも膜下出血)、 せん妄