筋筋膜性腰痛(筋性腰痛症)

筋筋膜性腰痛(筋性腰痛症)とは

筋筋膜性腰痛(筋性腰痛症)とは腰の筋肉の過緊張の発生やそれに伴う筋繊維の損傷を起こしたために起こる腰痛のことを言い、神経学的検査でも背骨や椎間板などの関節部に異常が見当たらないのにも関わらず、痛みがあるという腰の痛みです。

筋筋膜性腰痛(筋性腰痛症)の症状

初期症状として腰の周辺に軽い痛みを感じるほか、腰がなんとなく疲れる、腰がこる、だるい、重苦しい感じがするといった腰の不快感を感じます。

腰を休ませずに放置していると徐々に痛みが強まっていく傾向があり、突然強い痛みに襲われることもあります。

筋筋膜性腰痛の原因

筋筋膜性腰痛症の原因は腰回りの筋肉への過度な負担と言われています。
腰に負担のかかる動きは重いものを持ったり、急激に腰を曲げたり捻ったり反らせたりすることで起こります。
また、長時間の中腰や前傾姿勢の維持、ジャンプでの着地動作も腰へ負担がかかります。

ただ、このような動作は多くの人が行っている動作であり、このような動作をする人が必ず筋筋膜性腰痛症になる訳ではありません。

筋筋膜性腰痛症になる原因はこれにプラスして、そもそもの姿勢の崩れが腰に過度な負担をかけている場合や腰に過度な負担がかかる動作になる柔軟性の低下などが背景にあります。

・股関節や胸椎の柔軟性の低下
・肥満
・膝や足首の怪我

などは腰に過度な負担がかかります。

筋筋膜性腰痛の診断

問診や理学的検査(視診、触診、打診)、画像検査(X線検査・CT・MRI)などの検査をして総合的に診断し、特に日常の生活で腰に負担をかける動作がないかを確認します。

患部を目視したり画像検査をしても原因が特定できない場合もあります。

筋筋膜性腰痛の治療

一般的には筋肉に大きな負担をかけない、疲労させない事として日常生活においても気を付けることで痛みが回復することもありますが、痛みがおさまらない場合の治療法としては、保存治療(運動療法・温熱療法・薬物療法・装具療法)があります。

①運動療法

筋肉が伸びたり委縮した状態になっての痛みですので、 ゆっくりとストレッチなどの運動をすることで腰の筋肉の緊張をほぐします。 また徐々に筋力を増強することも治療となります。

②温熱療法

ホットパックや超音波などで腰を温めます。腰を温めることで血の流れが良くなります。血の流れが良くなる事で筋肉の緊張がほぐれて痛みが緩和されたり、疲労物質が流れ出て回復が早まります。

③薬物療法

炎症を抑えて痛みを和らげる消炎鎮痛作用(痛み止め薬)を投与します。湿布(シップ)、軟膏、クリームなど、塗り薬タイプの外用薬を主に使用します。

④装具療法

腰用のコルセットやサポーターなどの器具を腰に装着して、腰の動きの安定を目的とし、腰部への負荷を少なくして痛みを軽減します。

手術や薬を使用しないため合併症や副作用が無く、年齢や体力を気にせず、いつでも用いることができ、腰へ負担を軽減し安定した良い姿勢を保つことができる。

ただし、長期間使用すると筋力が弱り、装具を使用しない時は疼痛が重くなることもあります。(痛み止め薬)を投与します。

筋筋膜性腰痛(筋性腰痛症)の根本原因について

実は筋筋膜性腰痛では、痛みの根本原因に椎間板が関係していることがあります。椎間板が変形することで背骨が不安定になり、それを支えるために筋肉や筋膜が過剰に疲労し、その結果として筋筋膜性腰痛に繋がっているというメカニズムです。そのため、MRI画像でもしも椎間板の変形が確認された場合は、その変形を直さなければ筋筋膜性腰痛の根本的な原因の解決にはなりません。保存療法だけで良くならない場合は、一度MRIを撮って改めて専門の医療機関で診断を受ることも一つかと思われます。

根本原因に対応した治療法について

セルゲル法(椎間板修復インプラントゲル治療術)

PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)やPODD法(経皮的オゾン椎間板減圧術)と同様に、近年研究・開発されてきた先進治療方法の一つであり、エビデンスがしっかりしている治療法では最も新しい治療法である。
最も特徴的なのは、従来の治療法では根本原因である椎間板の修復や再生は不可能であったが、セルゲル法では椎間板の代わりとなるインプラント化するゲルを直接椎間板に注射することで、それが椎間板の変形したり損傷している部位に入り込み固定化し修復されることである。また、椎間板が修復されることで椎間板自体が自身の再生能力によって元の正常な機能を回復するとされている。

メリット

・他の治療法では不可能であった「椎間板の修復・再生」が可能なため、根治的治療になりえる
・椎間板ヘルニア、脊柱菅狭窄症、すべり症、椎間関節症、仙腸関節障害・筋筋膜性腰痛など幅広い疾患に対して適用できる
・局所麻酔であること、また細い針だけで治療するため身体への負担が少なく日帰りで治療が可能

デメリット

・先進医療かつ自由診療のため治療費が高額である


提供医療機関
日本ではILC国際腰痛クリニック東京で提供されている
https://ilclinic.or.jp/