腰痛の治療(SCS法)

腰痛は椎間板ヘルニアのほか脊柱管狭窄症などの病気があり、それぞれに適応した治療法がありますが、ここでは脊髄刺激法(SCS法)について説明いたします。

効果のある痛みは脊柱管狭窄症などの慢性難治性疼痛に効果があるとされます。治療のしくみとしては、痛みの信号が神経をへて脊髄に伝わり、脳へ伝わり痛みを感じます。そこで痛みを伝える脊髄に電気の刺激を与えて、脳への痛みの信号を伝わりにくくすれば、痛みが和らぐとされます。したがって、脊髄刺激療法は痛みの原因を取り除くのではなく、痛みを緩和させるための治療方法です。

刺激は個人差はありますが、トントンとマッサージのようなものです。手術として、局所麻酔にて試験的(トライアル)に刺激を与えて効果を検討します。望ましい効果が出たならば刺激装置を植え込みます。

トライアル時にはリードと呼ばれる刺激電極のみを硬膜外腔という脊髄を保護している膜の外側部分に挿入し、その後効果が確認された場合は機器一式を植え込む本植え込みの手術となります。トライアル及び本植え込みともに局所麻酔ですが、入院期間はあわせて2~3週間程となります。

退院後、リードと刺激装置が安定してきたら、体外式神経刺激装置により、刺激を患者自身がコントロールすることができます。注意事項としては、一般的な日常生活に支障をきたすことはありませんが、強い磁気を発する家電製品や病院での検査、治療には注意が必要です。

脊髄刺激療法(SCS)の治療法は開発されて30年以上経過している治療法です。脊髄刺激療法にかかる費用は国民健康保険の適用になっています。(患者様のご負担金については治療を受けられる病院にご相談ください)